早期教育の落とし穴にご注意!
こんにちは!(@huuko23)です。
前回の絵本育児についての記事をきっかけに、子育てと脳科学についての世界にハマりそうです・・・(笑)
そんな中、早期教育について少し気になる事があったので紹介したいと思います。
習い事の低年齢化が進んでいる
小学校から習い事を始める・・・なんて一昔前の話。
今は赤ちゃんからでも習い事を始める家庭が増えてきました。
近年、早期教育プログラムのビジネス化が増えてきているように感じ取れます。
もしかすると、ワンオペ育児で気軽に子育てや教育について相談出来ない不安だらけのお母さんをターゲットにしているのかもしれません。
また、SNSの普及により他の家庭ではどんな取り組みをしているのか気軽に知る事が出来ます。
SNSでは「自分の子どもが◯◯が出来るようになった!」と子どもの出来るところを報告する方が多いように思えますが、それを見た他の親は「自分の子どもはまだ出来ていない」と我が子と比較してしまう事も多いのではないのでしょうか?
そうなると、「周りに遅れを取らないように!」と焦る気持ちを収めるべく
何か自分達も取り組める事がないかと早期教育を取り入れようとする方もいるでしょう。
私もその内の一人です(^_^;)
また、日本は少子化が進んでいます。
「出生率が過去最低を記録しました。」と毎年ニュースで聞くような気がします・・・
そうなると教育市場は顧客数が減少してしまいます。
そのため顧客幅を拡大するべく習い事の対象年齢を下げて低年齢層にもアプローチしているのです。(ベビー公文とかベネッセとか・・・)
最近良く聞く赤ちゃんの習い事と言えば、ベビーマッサージやベビーサイン、ベビーヨガ、ベビースイミングなんかもありますよね。
市が実際に講師を招いて子育てイベントとしてやってたりもします。
上記の習い事はお母さんたちの交流の場としての意味も大きそうですね。
無限の可能性を秘めている赤ちゃん・・・
その可能性を出来る限り広げてあげたい!と思う親心は誰しもが抱くと思います。
そして0歳から習い事を始めてよかった!と言う声も良く聞きます。
今人気の習い事は何?
2017年に下記サイトで行われたアンケート調査結果では、
1位 水泳
2位 ピアノ、エレクトーン
3位 英語教室
4位 学習塾
という結果になっています。
2016年のアンケート結果では幼児教室に通っているという方は7%で8位だったのが2017年では20.6%で4位と習い事として通う人が大幅に増えています。
「知育」と言う言葉を意識される方が増えてきているのでしょうか?
赤ちゃんむけのおもちゃでも「知育」をテーマにしたおもちゃは人気ですよね。
早期教育の落とし穴
さて、本題に参りましょう。
上記でも人気の英語教室や幼児教室に通わせる目的ってシンプルに言うと
「頭が良くなって欲しいな!」
ということではないでしょうか?
幼児教室・習い事と聞くと、教室で先生から文字や計算の勉強を教えてもらったり、
頭を使う課題(迷路や間違い探しなど)に取り組んだり・・・
といったイメージがありますよね。
でも、これらの習い事って明らかに入力される感覚が少ないのです。
机上課題ではどうしても視覚や聴覚に偏りがちです・・・
人間の脳は意識下に上がらない様々な刺激も入力として受けているのですが、その刺激全てを意識上に上げてしまうと情報量の多さに脳もパニックになってしまいます。
そのため、その中から必要な刺激を選択して意識上に上げています。
そう、私たちが意識している・認識している事象は氷山の一角に過ぎないのです。
大人が教える内容はどうしても意識に上った言語で作られたものに限定されがちです。
そうなると刺激の量が一気に減ってしまうのです。
まだ脳の形成過程にある子どもの時は五感を存分に使った活動を行う事が必要と言われています。
巷で聞いた話ですが、アメリカのとある学校ではタブレット教材は一切使わず、
りんごの数を数えるにはりんごを使うなど現物を使用しているそうです。
りんごの感触や匂い、重さ、それを通して自分がどう感じたのかといった情動なども絡めることで記憶として強く残りやすいです。
タブレットを使った教材は持ち運びも便利でアナログでは出来ない表現も取り入れる事が出来るなどメリットも多いですが、タブレットだけではりんごの甘い匂いや重さ、質感そしてそれを通して自分がどう感じたのかなどを学習することは現時点では出来ないでしょう。
大人が良かれと思ってやっている事が実は、子どもの脳の可能性を狭めてしまっているのかもしれません!
机上課題を中心とした教室もいいと思いますが、そればっかりに固執するのではなく
五感をフルに使って大自然の中で思いっきり遊ぶ事の方が早期教育としてはとても重要かもしれません。
子ども自らで「発見し・知る」といった能動的な活動を取り入れてその子どもの
「やる気や意欲といった今後の学習に向けて必要な土台をしっかりと構築していく」
事の方が最優先されるべきではないのかなと思います。
早期教育として取り入れたいのは「メタ意識」!!
「メタ認知」とも言われています。
人材開発やマネジメントの領域でも注目を浴びている言葉です。
学習や問題解決場面でいつどのような方略を用いるかといった知識や判断も含まれるため、教育現場ではこのメタ意識・メタ認知が重要な課題とされているようです。
メタ意識というのは「意識に対する意識」つまり自分は今こういう事を意識しているぞという意識のことです。
自分が今行なっている活動を遂行するための認知活動(知覚、情動、記憶、思考)としてこれは好きか嫌いか・良いか悪いかを意識するような機能の事です。
自分たちが持った意思の決定は反射的で自動的な遺伝子の決めた選択ではなく、
「これは好きだ・嫌いだ」といった意識的な判断や
周囲の社会的状況に適合するかどうかの照合を含めて選択してしているようです。
また、私たちの脳は無数に入ってくる刺激を意識のフィルターにかけてコントロールしています。
その意識のフィルターとメタ意識が子どもの頃は十分に機能していないと言われています。(メタ意識がしっかり機能し出すのは自分のことを客観的に見られるようになる小学校3、4年生ぐらいとも言われています。)
メタ意識を強化するためにはどうすれば良いの?
①子どもが何を意識して何を意識しないか区別する基礎を作る。
子どもが何に注意を払うべきかを生まれた直後から教えてあげる。
「知る」ために何をどう認識するべきなのか教え、経験させてあげることで自分自身で経験したこととして集約され記憶の中に知識として残されます。
②赤ちゃんに対してはなるべく大げさでわかりやすい表情コミュニケーションを心がける。
赤ちゃんの視力は生後3ヶ月までは数10センチぐらいで大まかな形を捉える程度だとそうです。
口を開いて歯を見せる笑顔と、赤ちゃんの向いた方向を一緒に見て、指さしたり手前に持って来て優しく話しかけたりするコミュニケーションが早期の社会的参照を促すために効果的と言われています。
③わかりやすい表情コミュニケーションを心がけて子育てを行う
言葉による聴覚的コミュニケーションは表情による視覚的コミュニケーションの土台がないと虚ろで脆弱なものになってしまうそうです。
言葉への理解が十分発達する3歳ぐらいまでは常に手取り足取り、触覚と視覚に訴えるわかりやすい表情コミュニケーションを中心に子育てを心がけましょう。
そうする事で子どもに早期から社会的参照の機能が働くようになり、赤ちゃんにも正しいメタ意識を持たせることが可能になるそうです。
表情コミュニケーションは他人の意図や周囲の文脈を認識するためにも必要なスキルで、子どもの今後の社交性にも影響が出てきそうですよね。
<参照・引用先リンク>
最後に・・・
いかがだったでしょうか?
子どもに良いと言われることは全て取り組んでみたくなりますが、大人が良かれと思ってやっている事が「押し付け教育」とならないよう注意したいものですね。
私も可能性を消したくない!と思う一心で色々と親のエゴを押し付けていたかもしれません・・・(早期英語教育には取り組んでいるので^^;)
大人が1から手取り足取り教えなくても、子ども自身が自らで学ぼうとする力を育んであげる事でその子の可能性は無限大に広がるのではないのでしょうか。
そういった意味でも子どもが学ぼうとする「環境を整えてあげる」事が親として取り組むべき早期教育なのかもしれません。
この記事のまとめ
●机上課題メインの教育だけでは刺激量が乏しい
●早期教育として優先すべきことは子どものやる気や意欲を引き出してあげること
●メタ意識を強化すると社会的コミュニケーション能力の向上が期待できる
●親が心がけたい事は子どもが学べる環境を整えてあげること